♡航星日誌♡

・・・to boldly go where no one has gone before.

先史時代の神

宇宙の人気番組は木曜日なんだって。ほえーーー。
この、時間や曜日に束縛されてテレビ番組を見る感覚ってすっかりなくなっていたなー。特定の時間に特定の番組を見るというのは今ではもうありえない感じだけど、せっかくおすすめして頂いたので見るのである。「笑える」って。



何にも束縛されず心の赴くままに読書。ろうそくを灯して美しい音楽を聞きながら。わたくしにとってなにより幸せな時間なのです。



先史時代


彼らがいかにして、共同体の一員である個々の女性において観察される誕生という現象から、豊饒と新しい生命の源泉としての超越的な<女>ないし<太母>という考えへの心的な移行をなしたかは、われわれの現在の把握の及ぶところではない。しかし、(略)、この母神ないし大女神の崇拝は新石器時代においては十分証拠立てられており、またこれに引き続く表現が古代近東における多くの有名な女神に見いだされるのである。
 そういうわけで、ローセルのヴィーナスを神の観念の礼拝を目的とした、現在知られる最古の描写だとみなすことができるだろう。
(略)
旧石器時代に関しては女性原理の神格化の方が男性原理のそれよりもより確実に証拠立てられる。

古代近東
”エジプトの形態の方が(メソポタミアよりも)一般的によりよく記録されており、確実により図解的に提示されているので、”「ピラミッド・テクスト」


メソポタミアにおいて神について抱かれた考えは、エジプトにおけるそれとはいくつかの点で顕著に異なっていた。メソポタミアの人々(シュメール人バビロニア人、アッシリア人)の宗教は、なるほどエジプト人のそれと同様に多神教的ではあったが、その神々は宇宙を構成する諸部分に注意深く関係づけられた階層を形成していた。古代メソポタミア宇宙論によりば、世界は四つの部分ーー天、大地、大地を取り囲む水、そして死者の住む冥界ーーからなっていた。これらは各々神によって支配されていたのである。即ちアヌは天を統治するものであり、地位の上で第一位の神である。これに続くのが大地を統轄するエンリルであり、水の神なるエンキ(またはエア)、冥界の主ネルガルであった。この世界次元の階層の下位に三神がおり、これらは主だった天体と結びついていた。即ちシン(月神)、シャマシュ(太陽神)、イシュタル(金星)である。植物は神格化し、ドゥムジというシュメール名を得ていた。”


(略)


”神話においてはタンムズ(ドゥムジ)はイシュタルと恋人の関係にあり、イシュタルによって冥界から助け出されたとされる” 
>>オシリス神話と同じなの?


”だが、神々は自らが享受している不死性を召使いの人間たちには与えなかった。人間は死後も生き続けることを望みえないというこの信念は、メソポタミア人の世界観に深い影響をおよぼしており、たとえば有名な「ギルガメッシュ叙事詩」の中心的テーマもこの点に由来している。”


”即ち神々の階層は混沌の悪魔的力に対立する宇宙秩序を表現していた。したがって、人類の目的と幸福は神の秩序に融和し、これを支えることに存するのである。”



>>ふーん。ほんとおもしろいなー。シュメールは輪廻思想じゃないということ?でもタンムズはイシュタルから冥界から救ってもらったってあるけれど。この文章だけではちょっとよくわからないな。先史時代のフランスのローセルのヴィーナス知らなかったなー。ほんとすごいなーーーーー。

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”  ”内はすべて/西洋思想大辞典1,平凡社,p440-神の観念(先史時代から中世まで)