♡航星日誌♡

・・・to boldly go where no one has gone before.

ウロボロス、円

ウロボロス




栄光回帰
繰り返される循環
世界の終わりと新たなる創造
死と復活
永遠
世界創造は全にして一である
陰と陽 反対物の一致



錬金術
純化のための循環のプロセス
宇宙の万物が不純な全一(原物質)からでて変容を重ねた後、純粋な全一(賢者の石)に回帰する、創造・展開・完成と救済の輪を示すのに使用された。/有田忠郎
上にくる方が揮発性のしるしとなり翼をもつ竜などの姿で描かれる






【円】



神秘主義傾向をもつ諸体系では、神はしばしば、中心があらゆるところに偏在する円に喩えられる。この場合円は、完全性や人間の理解を超えたもの(無限性、永遠性、絶対性)の象徴である。



円の内部に中心から放射状に広がる輻(や)を描くと、車輪のシンボルになる。円が不変性をあらわすのに対して、こちらは力動性をあらわす。



古代エジプトの永遠のシンボルは端と端を結んで円形にした紐であり、古代ギリシアのそれは、みずからの尾を噛んでいる円形のヘビであった。



「環状の波紋」は、死者が死の海(来世)へと沈んでゆくこと、あるいははまたそこから奇跡的に浮かびあがってくることをあらわし、死と再生を象徴的に示唆していると思われる。



円と等積の正方形をつくるという有名な「円積法」は、人間の本質を神の領域まで高めて神性を得ようとする人間の努力の象徴となる。幾何学で使う普通の道具では回答不能のこの命題は、ルネサンス期には「神化」を目指す人間の姿のアレゴリーとしてしばしばとりあげられたし、錬金術のシンボルとしても重要な役割を果たした。ユダヤの思想(カバラ)でも円と正方形が取りあげられ、ー略ー、正方形の内部に描かれた円は、物質という覆いの内部に宿る「神の火花」とみなされた。



キリスト教ではーー同心円は神による原初の創造をあらわす。ー略ー、神が同心円の中央から超越的に突き出る1つの手として顕現するさまが描かれることもある。



北米先住民のいくつかの種族にとって、円は<偉大なる精霊>の宇宙での動きを象徴する。



禅仏教では円は、根本原理と一体化した人間が得る完全な状態、すなわち悟りをあらわす。



中国の陰陽のシンボルでは、二元原理である陰と陽が1つの円にまとまった形を太極といい、原初の統一状態を象徴する。



中世ヨーロッパにおいては、宇宙は(立体的な天球を平面上に投影したものとして)同心円状の層をなす姿でイメージされることが多いが、ダンテの「神曲」の中でも、天国、煉獄、地獄はそれぞれに同心円状の構造をもつものとして表現されている。



三位一体は、3つの互いに交わる円によってあらわされることが多い。





宇宙論
ー略ー、歴史的に見るとこうした宗教的宇宙論が没落し、より合理的な思考形式に所を譲ることは、古代ギリシアやインドに例証される一般的傾向である。それはまず哲学的宇宙論に、そして近代以後はさらに科学的宇宙論によって置き換えられて来た。これは、宇宙が人間から切り離されて対象化されるとともに、宇宙論のなかの知的、理論的な要素のみが分化、展開したものといえよう。/田丸徳善

ーー
図説世界シンボル事典,八坂書房,2000
日本大百科全書電子版
世界大百科事典電子版


ーーー
アレゴリー
寓意、寓意像の意。語源はギリシア語の「allegoria」で、「別のものを語る」という意味である。抽象的な概念や思想を、具体的形象によって暗示する表現方法であり、その主要手段は擬人化、擬動物化である。「正義」の観念を剣と天秤をもった女性像で表わしたり、「狡猾」を狐で表現するなどがその例である。また白色が清純を、聖母マリアのマントの青色が「天の女王」の意味を表わすといった、絵画的表現もそれと言える。アレゴリーの他の特色として認められるのは善悪の対比による宗教や道徳上の教訓、風刺の要素をもつことで、これは特に文学的表現において用いられる。例えばイソップやラ・フォンテーヌの寓話(fable)にみられる。歴史的にはギリシア人が神話中の人物を哲学的真理の現われとして解釈し始めたときに起こり、さらにキリスト教神学と中世の実在論哲学において発展した。16-17世紀にはチェザーレ・リーパの『イコノロジア』などの、図像学において最もよく扱われた。またアレゴリーはシンボルとの区別において考えられてきた。この違いを明確に確立したのはシェリングである。彼は抽象概念である「普遍」と擬人表現として表わされる「特殊」が一体化しているとき、それをシンボルとし、ある表現において特殊が普遍を意味する、あるいは特殊が普遍を通して直観される場合をアレゴリーであるとした。現代においても芸術表現の一手段としてアレゴリーは使われ続けたが、作品制作の主導的な立場として復活したのは、ポストモダニズムの台頭によってである。具体的な芸術家としては、F・クレメンテ、A・キーファー、H・シュッテンドルフらであり、例えばキーファーは聖書、神話、歴史的場面、ゲーテの『ファウスト』などのさまざまな文化的表象を、現代人の生活のアレゴリーとして作品に取り込んだ。[執筆者:山口美果]アレゴリー:現代美術用語辞典|美術館・アート情報 artscape